三好野の歩み資料集お弁当掛紙編

(1)「大正6年4月」の書込みのある掛紙
 これは、以下の理由で、昭和初期の物と思われる。
 @ このサイズの石版掛紙が流行したのは大正末から昭和初めであること
 A 2番目の掛紙と同一品で、「4・10・7午前七時」の調製印のある物がヤフオクに出品されたことがあること
 B 調製時間が印で表示されだしたのは、全国的に概ね大正7年の食品衛生法施行前後からであること

(2)推定昭和8年以前
 このうち、12枚目(「駅弁の小窓」上杉剛嗣氏提供)と14枚目の掛紙は同一で、しかも調製年月日入り。
 12枚目が「昭和2年7月29日」、14枚目が「大正14年4月24日」。11枚目は陶器のお茶容器「金5銭」。
 17枚目は、「神戸鉄道局」の注意と、大阪・神戸の広告入り

(3)推定昭和8年〜昭和12年
 2枚目現東岡山駅の名称は、明治24年開業時には「長岡」。明治39年から昭和36年までは「西大寺」。

(4)推定昭和8年〜戦前
 5枚目「紀元2600年記念全国児童愛護運動」(昭和15年)。6枚目「皇紀2600年記念」(昭和15年)。7枚目は、
 仙台駅から広島宇品港経由で出征した兵士が昭和14年11月25日に食べた物(「駅弁の小窓」上杉剛嗣氏提供)。
 8枚目は戦時標語入り。推定昭和16年。

(5)戦後、昭和20年代
 3枚目と4枚目は、「外食券引換」。4枚目は「岡山産業観光大博覧会記念」(昭和29年)

(6)昭和30年代
 「昭和31.1.22」
 「特製幕の内弁辨當」(昭和30年代前半)
 「サンドウイッチ」(昭和30年代)
 「サンドウイッチ」(昭和35.4.8)
 「焼賣」(昭和30年代?)
 「賀正特製御辨當」昭和30年代
 「備前うなぎ」昭和30年代
 「鯖ずし」
  皇太子殿下(今上陛下)ご成婚記念(昭和34年)
  浩宮様(現皇太子殿下)ご生誕記念(昭和35年)
  第17回岡山国体記念(昭和37年)

(7)昭和40年代
  新幹線岡山開業記念(昭和46年)
  昭和47年10月
  昭和48年12月

(8)昭和50年代
 「全国高校総体」(昭和52.7.27)
 「全国高校総体」(昭和52.7.29)
 「瀬戸内寿し」(昭和55年頃)
 「幕の内鷲羽」(昭和50年代)
 「かに寿し」(昭和50年代?)
 「やまめ寿し」(昭和59年頃)
  お弁当勢揃い(昭和52〜53年頃)

(9)昭和60年代
 「燃えろ岡山弁当」
  瀬戸大橋開通記念行事用(昭和63年)
 「勝つ弁」

(10)平成
 「内田百閧イ馳走弁当」
  おかやま国体開会式のお弁当(平成17年)
  おかやま国体岡山市分

(11)国鉄・JRキャンペーンロゴ入り駅弁掛紙
 「ディスカバージャパン」(昭和45.10.1〜)「ひかりは西へ」(昭和47.3.15〜)
 「一枚のきっぷから」(昭和52.1.6〜)
 「いい日旅立ち」(昭和53.11.3〜)
 「ひかりつづけて私は5歳」(昭和55.3.10)
 「エキゾチックジャパン」(昭和59〜)
 「JR西日本発足記念」(昭和62.4.1)
 「岡山駅開業90周年記念」(昭和56年)
 「新幹線岡山開業30周年記念」(平成14年)


改訂版 戦前の掛紙の年代推定の根拠について
戦前の駅弁掛紙は、一時期を除いて年に表記がなく、年代特定は困難です。
現在根拠としているのは以下の通りです。

@ 電話番号
 「29」「128」  ・・・明治36年 岡山官営電話開通より
 「2029」「2128」・・・昭和8年5月25日より
A 社名
 「合資会社三好野本店」・・・大正8年〜昭和12年
B 売価
・全国の駅弁価格の変遷
   上等辨當  大正2年   ・・・25銭→30銭
         大正8年    ・・・30銭→40銭
         大正11年10月 ・・・40銭→35銭
         昭和5年   ・・・35銭→30銭
      並等辨當  大正3年    ・・・15銭→20銭 
・山陽鉄道の駅弁価格(明治30年8月1日より)
   普通辨當・・・12銭
   上等辨當・・・25銭(下り急行は三石駅で車掌が予約を取って岡山駅で引き渡し)
   お茶  ・・・3銭5厘
・戦時統制表示
   公定価格・・・昭和15年 上等30銭、並等20銭
   停止価格・・・昭和16年     〃

以上を根拠として、年代分類は以下のように推定しました。
@「29」「128」           ・・・昭和8年以前
A「29」「128」で上等御辨當30銭 ・・・大正2年から8年
                   もしくは昭和5年から昭和8年
B「2029」「2128」で「合資会社」・・・昭和8年から昭和12年
C「2029」「2128」              ・・・昭和8年以降
D「公」             ・・・昭和15年
E「停」              ・・・昭和16年から昭和20年
  

参考資料
「駅弁学講座」林順信、小林しのぶ著 集英社新書
WEBサイト「駅弁の小窓」
                                       平成22年5月 若林久義 

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